企業が海外大生を採用したいと思う理由は企業によって様々ですが、ここでは主な理由5つをご紹介します。採用する理由が分かっていれば、海外大生の皆さんがエントリーシートや面接でアピールすべき点も見えてくるはずです。自分の経験と照らし合わせながら企業に伝えることを考えていきましょう！

●異文化理解

日本で生活する大学生よりも海外大生は、多様な人たちと話したり交流したりする経験が多いと思います。自分とは違う考え方や価値観を持った人たちと多く出会い、自ずとその違いを理解してコミュニケーションを取る力が身に付きやすいのが海外で生活する強みと言えるでしょう。社会人として仕事をする際も、社内の他部署、社外 (クライアント企業、パートナー企業など)の関係先をはじめ、日本国外の相手であっても相手を理解したうえで行動することが求められるため、海外大学での経験はきっと活きるでしょう。

●コミュニケーション能力

上記の異文化理解とも重なる点もありますが、言語・非言語の両面で自分と異なる相手とスムーズにコミュニケーションが取れるように努力をしているのは海外大生の大きな強みと言えます。社内だけではなくクライアント企業などとも上手にコミュニケーションを取りながら、信頼関係を構築してくれるだろうと企業は期待をしています。

●バイタリティ

これまで生活してきたコンフォートゾーンから離れて、異国の地に飛び込んだ経験を企業は高く評価しています。留学理由は人それぞれですが「現状に問題意識があって海外留学を決意した」「レベルの高い環境に身を置いて自分も成長したかった」「特定分野を学びたいから海外大学に進学した」など、海外大生の皆さんは何かしらの想いや考えを持って行動に移していると思います。誰かから指示があるまで行動しない(受け身の)姿勢では企業では評価されません。留学という実体験から、考えて行動することが身に付いている海外大生は社会人になっても活躍できる可能性が高いと言えます。

●問題解決力

海外大学生活は日本での生活と異なる点が多分にあるため、大変なことも多いでしょう。しかし大変な事が多いからこそ、解決するために普段から考えて行動しているのが海外大生の特長とも言えます。異文化を理解し、様々な人たちとコミュニケーションを取り、バイタリティを持って行動するという上記3点を兼ね備えている可能性が高い海外大生はどんな環境であれば、活躍できる見込みが高いと企業は考えています。

●言語力

日本語はもちろん、他言語でも考えや意見を相手に伝えることができる点は、どの企業でもグローバルな環境が当たり前になっている今、重宝されます。ただ他言語を話せない人でも社会人になってから努力次第で言語力を伸ばすことは十分可能なため、海外大生の皆さんは言語力だけを選考の場でアピールするのは控えた方がよいでしょう。

上記の理由から様々な業界・企業で海外大学の経験を活かすことができ、実際に海外大生を採用したいと考える企業が多いのは事実ですが、特に積極的に採用する業界として「商社」と「コンサル」が挙がります。この項目では、その理由をお伝えします。

●商社

商社の場合、中でも「コミュニケーション能力」と「バイタリティ」を重視している傾向にあります。

総合商社では、国内外問わずに様々な企業や関係者と協力しながらプロジェクトを成功させることが求められます。立場の違う人たちと共通目標を達成するために適宜コミュニケーションを取り、時にハードな交渉を交えながら、全体の利害関係を調整してプロジェクトを推進する「コミュニケーション能力」は非常に重要なスキルです。また、商社では世界を舞台に様々な関係者とのやり取りが発生するため、各国を飛び回ったり、海外現地に駐在して仕事をする機会が多くあります。日本の常識が海外現地で通用しないのは当然なので、相手にちゃんと理解されずに交渉が難航することもあるでしょう。そのため新しい環境や人間関係の中でも前向きに取り組む行動力や、困難な状況下でも立ち向かっていくエネルギーや好奇心があるかは、選考過程でもチェックされています。このような「バイタリティ」は留学経験と重なる点も多くあるため、総合商社は海外大生を積極的に採用している業界のひとつと言えます。

●コンサル

コンサルの場合、中でも「コミュニケーション能力」と「問題解決力」を重視している傾向にあります。コンサルタントの仕事は、クライアントの潜在的な課題を把握し、解決に導くことです。潜在的な課題を知るために、現場で働く方々や決裁権を持つ立場の方など、クライアントから情報収集することも大事ですが、同じプロジェクトを担当するチームメンバーとタイムリーに情報共有・意見交換をする際にも「コミュニケーション能力」は必要不可欠です。情報収集し、クライアントが納得のいく解決策を論理的に提示する上でもコミュニケーション力が必要となります。また約束された期間の中で、課題を特定し、論理的に解決策を導き出すため、ハイレベルな「問題解決力」が求められます。海外大生はビジネスシーンの課題にこれまで触れてなかったとしても、様々な場面で多くの課題に直面し、粘り強く自力で解決してきた経験を持っている事が多いため、コンサルタントに必要な資質を備えている可能性が高いと言えます。

今回は、企業が海外大生に求めている積極的に採用している業界である「商社」と「コンサル」が学生に求めるスキルについてご紹介しました。海外大生は、留学中に新しい環境に適応するため、様々なスキルを日々磨いて来たと思います。企業が学生に求める資質を理解しながら、自分の良さを生かせる業界・企業を研究していきましょう！