ケース面接とは、出題された問いに対して打ち手(解決策など)を提案する面接形式です。一般的な面接の流れは、最初に面接官から問いを提示された後、指定時間内で問いに対する打ち手を考え、その後面接官に考えたことを発表、そして発表内容を基に面接官とディスカッションをおこないます。対面式の面接では筆記用具と紙を渡されることが多いですが、オンライン形式も増えたためノートとペンは持参して臨みましょう。

出題される問いは「フェルミ推定」と「ケース問題」の2パターンに大きく分類されます。

「フェルミ推定」とは、実際に調査することが難しい数値などを最低限の情報・知識から論理的に概算することです。
例えば、以下のような問いがあります。

・日本にある電柱の数を算出せよ
・チョコレートの市場規模はいくら
・今、歯磨きをしている人は全世界に何人いるか

「ケース問題」とはフェルミ推定の応用とも言えます。すぐに答えが出せない問いに対して、仮説を立てながら論理的な回答を導き出していきます。
例えば、以下のような問いがあります。

・とあるラーメン店の収益を2倍にするには
・チョコレートの市場規模を1.5倍にするための施策を考えよ
・都心の満員電車を改善する方法は何か

初めてケース面接に触れる人にとっては正しい回答なんて到底導き出せないと感じると思いますが、安心してください！ケース面接は、ずばり正解を導き出すものではありません。評価されるポイントは大きく分けると以下の3点が挙げられます。

「論理的思考力」
ケース面接は、問いに対して全体像を捉えて構造的に考えられているか、そのうえで論理的な回答を導き出せているかといった考え方の道筋をチェックしています。なので、フェルミ推定ではニアピンの数値が算出できたから合格、ケース問題では斬新なアイデアが提案できたから合格というわけでは決してありません。

コンサルティングファームで勤務する場合、クライアントの課題を特定して解決策を論理的に説明する必要があるため、論理的思考力が重視されます。

「コミュニケーション力」
面接官と建設的な会話をしながら、より良い回答を導き出せるかも非常に重要なポイントです。例えばディスカッション中には面接官から様々な指摘やアドバイスがおこなわれます。自身の論理性をアピールするために、面接官の意見をすべて突っぱねることが正しいわけではありません。会話を重ねながら最終的により良い回答を目指すことが大事です。

コンサルティングファームで勤務する場合、プロジェクトメンバーやクライアントなど様々な関係者と会話を重ねながら課題解決を図るため、コミュニケーション力も重視します。

「考えることを止めない姿勢」
問いに対して回答がうまく導きだせない時や、ディスカッションで厳しい質問や指摘を受けた時など言葉に窮するシーンもあると思いますが、最後まで諦めず前向きに取り組みましょう。面接が終了するまで、より良いアウトプットを生み出そうとする姿勢は高評価に繋がります。

コンサルティングファームで勤務する場合、クライアントの課題を解決すべく常に考えを巡らせているので、考えを止めることは仕事放棄とも言えます。難しい局面でもどれだけ楽しんで取り組めるかも大事な能力のひとつです。

一般的な人物面接とは異なる面接形式ですが、「インプット」と「アウトプット」を組み合わせながら対策をしていきましょう。

「インプット」

・主要な数値データを知る
フェルミ推定では、予備知識があるとその後の推算にも役立ちます。あらゆる数値を暗記する必要は全くありませんが、最低限の主要数値を押さえておくと便利でしょう。例えば、日本/世界の人口、日本の世帯数や面積などが挙げられます。

・考え方の手順を知る
ケース面接では様々な問いが出されるため、基本的な考え方の流れを把握しておきましょう。考え方の詳細については他記事で記載をしますが、1. 前提確認・定義、2. 現状分析、3. 課題(ボトルネック)特定、4. 解決策立案・評価が基本的な流れとなります。

・過去問を調べる
大手企業の場合、過去に出題された問いは検索すれば行きつくことができます。問いの傾向も知っておくべきですが、打ち手を考える時間やディスカッションの時間なども把握しておくと、面接全体の流れがイメージできるでしょう。

「アウトプット」

・自分で回答を導きだす
各社で過去出された問いはオンライン上に溢れていますし、例題集などもあるので実際に回答してみましょう。慣れてくると考える時間を設定するなどして、本番環境に近い形で練習することをお勧めします。

・先輩や友人と練習する
自分だけの練習では、考えたことを相手に分かりやすく伝えられるかはまだ分かりません。コンサル志望の友人やコンサルに内定した先輩などが周囲にいれば、協力を仰いでフィードバックをもらうようにしましょう。

・専任コンサルタントと練習する
ケース面接は練習あるのみです。本番に近しい経験を積むことで突破する可能性は確実に高まります。周囲に協力者がいない場合は、コンサル業界をよく知るConnect Jobの海外大専任コンサルタントなど、エージェントに相談するのもおすすめです。

ケース面接は難しい印象を持ちがちですが、評価ポイントを知って練習を重ねれば、確実に努力の結果が現れます。不安な方は、専任コンサルタントや先輩・友人などを頼りながら準備を進めていきましょう！