・日本の新卒採用＝「総合職 (ポテンシャル) 採用」がメイン

エントリーシートや面接で志望動機が聞かれる背景には、日本の新卒採用の特徴「総合職 (ポテンシャル) 採用」が大きく関係しています。

これは、採用時点でのビジネスに直結する経験やスキルを重視するのではなく、将来的に活躍する可能性の高い人物を採用する手法です。

特に新卒の人材育成に力を入れている日系大手企業においては「入社後にどれだけ成長できそうか」「企業に対するモチベーションが高いか」が非常に重要な観点となります。

・企業が志望動機で知りたいこと

志望動機では、入社後の成長イメージを描けるかが重要なポイントとなります。

具体的に企業のどんな点に魅力を感じているのか、モチベーションを維持して成長してくれるかどうかを気にしています。

志望動機で面接官が重視するのは下記3つです。この3点に気を付けて志望動機を作成しましょう。

・入社への熱意

なぜその業界なのか、なぜその企業なのか、事業内容を理解しているか、業界を比較して説明することができるか

事業内容、経営理念、社員と会話して感じたこと等、具体的な話を挙げて語れるか

・過去の経験や将来像と企業のマッチ度

事業内容を理解したうえで、企業でやりたいこと、将来像が語れるか（活躍イメージを掴めているか）

自分自身の経験や強み、モチベーションの源泉など、過去の経験とその企業での仕事がどう合致するか

・ポテンシャル（入社後の成長度）

過去の経験（学生時代に頑張ったことや強み）が社会人としてどう活かせるか

将来のキャリアプランと企業でのキャリアが合致しているか

またエントリーシートで記入した内容は、面接でもよく深掘りされます。志望動機を記入する必要がある場合、エントリーシートに明確に記載できていると、その後の面接でも説得力のある説明をすることができます。

上記のポイントを踏まえて、実際の志望動機の例を見ていきましょう。

３つのポイントのいずれかが欠けてしまうと、志望動機の説得力は落ちてしまいます。

NG例を読みながら、説得力が落ちてしまう理由を考えてみましょう。

例１：「●●に興味があるため、この企業に入社したいです」

NGポイント１…企業・業界理解がどの程度できているかわからない

興味がある程度あるのは把握できますが、具体的に企業のどの事業内容と繋がるのかまで説明できていません。また業界内での比較もできているのか読み取れません。

NGポイント２…過去の経験や強みとマッチしているのか分からない

「興味がある」は誰でも言うことができてしまいます。具体的な将来像やキャリアプラン、過去の経験や自身の強みがどう企業にマッチしているかを伝えることで、企業への志望度をさらにアピールすることができます。

例２：「売上額が業界No.1であるため、御社（貴社）を志望しています」

NGポイント１...「売上No.1である＝志望する」のロジックが不十分

業界売上No.1という事実は魅力的かもしれませんが、それが働く理由に直結するわけではありません。ロジックが飛躍しているので、これだけでは面接官は納得しないでしょう。

売上No.1である企業で働くことが、なぜ自身にとって重要であり、志望する理由になるのか伝えるのがポイントです。

NGポイント２…企業の情報のみで候補者自身のエピソードが欠けている

企業や業界について理解度が高くても、自分の経験や将来の話と絡めて伝えなければ事実をただ述べているだけになってしまいます。自分自身が企業にマッチする理由を、体験談や自分の将来像を交えて話すことで、自分だけの志望動機をつくることができます。

このように、自分自身と企業が合致している点を伝えられていない場合、誰でも言えてしまう、自分らしさが欠けた志望動機になってしまいます。

面接では、自分の経験談、経験から生まれた想いを伝えることが、他の学生との差別化になります。また自分の過去や将来の話と結びつけることで、自分自身でも「その企業で活躍するんだ」という納得感が生まれやすくなります。

逆に、志望動機がうまく語れないと感じる場合は、自己分析や企業分析が不足しているか、その企業や業界にマッチしていない可能性があるため、一度立ち止まって考えたり、第三者にアドバイスをお願いしてみましょう。

・自己分析

自分自身を語るうえで、まず重要なのは自己理解です。

過去の経験から今に至るまでを振り返るために自分史やモチベーショングラフを作成したり、

経験の棚卸しをしてモチベーションの根源、自身の強みを探りながら自己分析をしていきましょう。

・業界研究・企業分析

エントリーシートや面接で自分の興味ややりたいことだけを伝えても、企業側は採用すべきなのか判断ができません。自分の過去の経験、将来のキャリアビジョンが企業の取り組みや方向性、事業内容とどのように重なるのかを説明できるかがポイントです。

・OBOG訪問・座談会への参加

事業内容などの表面的な情報だけでは、その企業で働いている姿をイメージできないこともあると思います。

説明会やセミナーなどを通じて、事業の詳細・今後の取り組みについて知るのはもちろんですが、「この人たちと働いてみたい」「●●さんのように活躍したい」と思えるような社風やロールモデルに出会うことも同じくらい大切です。

OBOG訪問・社員との座談会・インターンシップなど、自分自身で体感することをなるべく早くから取り組んでおくと、余裕をもって自分のキャリアを模索できます。

志望動機作成のコツはつかめましたか？

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