イギリスの大学は通常３年制で、大学に入ってすぐに専門的な勉強が始まります。
それは、イギリスの学生は高校の間に日本の大学一年生で勉強するような一般教養課程を修了しているからです。

通常イギリスの高校では、GCE-Aレベル（General Certifiate of Education, Advanced Level、以下「Aレベル」）と呼ばれるいわゆる高校卒業資格（大学入学資格でもある）を2年間で取得します。

Aレベル以外にも、私の高校のように国際バカロレア（IB：International Baccalaureate）と呼ばれる教育プログラムを取り入れる学校も最近は増えてきていますが、イギリスのほとんどの学生がAレベルを取得しています。

このような試験は、日本の一度きりの大学のセンター試験とは違い国際資格であるため、就職の際に成績を書くこともできます。

留学生がイギリスの大学で勉強するためにはいくつかのルートがあります。

一つ目は、高校や中学といった早い段階から渡英し、現地の学生と一緒にAレベルやIBを修了する方法。

しかし日本からの留学の場合は高校卒業後と考えるのが一般的です。

インターナショナルスクールでAレベルやIBと言った国際資格を取得する学生は別として、一般的な日本の高校を卒業しただけではすぐにイギリスの大学に進学することはできません。そのような学生のために、ファウンデーションコース（Foundation Course）と呼ばれる二つ目の方法があります。

ファウンデーションコースは、大学入学に必要なAレベルやIBを修了していない学生のために作られた大学入学準備コースです。

期間は通常1年間で、主な目的として以下の三つが挙げられます。

１）英語力の向上
大学での授業についていけるレベルの英語力を培います。イギリスの大学の入学に通常必要なIELTSスコア 6.0-7.0程度を目指します。

２）専門分野の基礎知識の習得
希望する専攻の基礎を入学前に身につけることができます。AレベルやIBを取得していない学生にとって、大学での授業に対する不安を解消する絶好の機会です。

３）イギリスにおける学習スキル・勉強法の向上
大学で特定の学問を学ぶには、授業についていけるだけの英語力を習得するだけでなく、基礎的な学習スキル・勉強法（論文の書き方やノートの取り方など）が必要です。

最終的に必要とされる成績を修めれば、イギリスの大学へ海外大生として進学することができる、と言う仕組みになっています。

ファウンデーションコースには、大きく分けて二種類あります。
・大学併設のコース

・私立機関が開設しているコース

大学が開設しているコースの場合、その大学への進学が保証されているケースが多いのが特徴です。行きたい大学がはっきりしている人にはおすすめのコースです。その代わり、大学付属ということもあり難易度が高いことも事実です。

語学学校など私立機関が運営する場合、提携大学への進学のみに限られていることもありますが、ファウンデーションコース期間中に進学先を検討することができます。現地での生活を通して進学先をじっくり考えることができるのがメリットです。

どちらもメリット・デメリットがあるので自分に合ったコースを選択するためによく下調べをすることが重要です。

高校の卒業資格やIELTSのスコアなど、学校やコースの種類によって必要事項は変わってきますが、どのファウンデーションコースでも、ある程度英語ができる前提で授業は進められます。

そのため英語力は少なくとも、IELTSスコア4.5～5.5程度は必要になってきます。

大学進学を目指したいと思ったら、早くから英語の対策をしっかりすることが入学後の余裕に繋がるはずです。

今回は、あまり馴染みのないイギリスの教育システムやイギリスの大学入学までのプロセスや必要条件を解説しました。

自分が勉強したいことを学ぶためにも、行きたい大学に進学するためにも、入念なリサーチと事前準備が一番重要になってくると思います。

海外大生として正規留学を考えている方は、理想のイギリス留学のために目標をしっかり立てて準備を進めてくださいね！