1．海外大生に人気？デベロッパーってどんな仕事？

・特徴

デベロッパーは簡単にいうと、都市や街づくりを行うプロデューサーです。全体の構想を練り、不動産建設を企画するところから販売・入居に至るまでを一気通貫で担います。総合デベロッパーと呼ばれる企業では、商業施設、オフィスビル、マンション、ホテルなどあらゆるジャンルの不動産を扱います。代表的な企業例では、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産、森ビルなどが挙げられます。

・動向

①コロナウイルスによる影響

デベロッパー業界はコロナウイルス感染症の影響を大きく受けた業界であると言えるでしょう。

オフィスビル建設がメインビジネスであったデベロッパー業界ですが、リモートワークの普及や3密回避の観点から、オフィスビルの需要が減少する可能性があります。商業施設もECサイトの台頭により影響を受け、空室率が目立ち、供給過剰の状態にあります。

一方で、リモートワークの増加により、リゾート施設ではワーケーションが注目されています。また、住宅事業はリモートワーク需要の増加により、住宅選びの新しい価値基準が生まれ、注目度が高まっています。物流や社会インフラには新規需要が見込まれており、特に物流施設や再生可能エネルギー分野が成長が期待されます。

②少子高齢化による影響

少子高齢化や、それによる国内市場の縮小も大きな影響となります。今後は高齢者住宅や持続可能な高齢者コミュニティの構築の需要が高まるでしょう。

また、国内市場の縮小に対応するため、海外進出が盛んです。急速な経済成長のもとに個別物件の開発が先行している東南アジアなどで、国内大手デベロッパーの持つ都市計画ノウハウをもとにした再開発事業などに期待が高まります。また、バブル期にできた欧米諸国のデベロッパー企業とのコネクションを活かして欧米諸国での再開発事業に取り組む企業もあります。

2．デベロッパーが担う役割

デベロッパーの役割は、一言で”不動産の仕事”と言い切れる領域にとどまりません。まっさらな土地を開拓して街や住宅地を作り上げたり、街をさらに盛り上げるために再開発をおこなったりします。そのノウハウを海外へ展開し、海外で都市開発を行うこともあります。

・インフラ整備

都市開発は、建築物や不動産の売買・貸し借りをするだけでなく、周囲のインフラ整備も担います。近年では環境への配慮、スマートシティ構想などの概念をどう街づくりに取り入れるかが課題となっています。行政や鉄道会社等と連携することもあり、様々なステークホルダーを巻き込みながら推進していく必要があります。

・再開発

あるエリアに大型商業施設や街のシンボルをつくり、その周辺にマンション・住宅地を開発するようなプロジェクトも存在します。再開発を通じて街に活気を取り戻し、経済的な効果を生み出すことができます。

3．デベロッパーの仕事の流れ

・土地の取得

開発するための土地を用意するフェーズです。土地の選定は、様々な情報収集・分析、将来の予測を交えながらおこないます。土地を取得する際には、その土地の魅力・将来価値をどこまで最大化できるかといった計画・提案の精度はもちろん、土地を所有・管理している地権者との信頼関係も重要になります。動く金額も大きいため、デベロッパーの交渉力の見せどころです。

・企画・開発

土地取得時に提示したプランをより具体的にし、開発・建築していくフェーズです。街づくりのコンセプト、建築物や街全体のデザインをより鮮明に描いていきます。開発が始まると、プロジェクトに関わるステークホルダーと連携し、管理監督をしていく立場となります。設計会社、建築会社、鉄道会社等様々な相手とのやりとりが発生するため、コミュニケーション能力、マネジメント能力が必要とされます。

・販売・貸出

開発した不動産を販売・貸出しなければ収益を得ることはできません。購入者やテナントへの入居者を探すために営業活動を行います。

・管理

不動産はメンテナンスが不可欠。街は常に活気があってこそ魅力的になっていきます。開発したエリアを継続的に価値あるものにするため、管理・運用していくのもデベロッパーの大きな役割です。

4．デベロッパー業界の選考対策

このセクションでは、デベロッパー業界の主な選考フローと対策ポイントについてご紹介します。

・デベロッパー業界の選考フロー

デベロッパー業界の多くの企業の選考フローは下記の流れとなります。

ES（エントリーシート）
↓
Webテスト
↓
一次面接
↓
グループディスカッション
↓
二次面接
↓
最終面接

日系企業の選考フローとして一般的な流れとなりますので、それぞれの選考対策については以下の記事を是非参照ください。

人物面接の極意！ －面接官に刺さる答え方とは？海外大生の就活－
海外大生も対策必須！Webテストの種類や対策方法を徹底解説

・デベロッパーの選考 対策ポイント

デベロッパー業界選考で特に気を付けるポイントは「企業ごとに自分なりの志望動機を話す」ことです。

中小企業から大手企業まで多様な企業がデベロッパーというビジネスモデルを取っており、面接などでなぜ他社ではなくその企業がいいのかを具体的に話すことが求められる場合が多いためです。

志望動機を差別化するには、自己分析と企業研究が必須となります。

自己分析 自分を知るための3つのステップ
【海外大生必見】目的を整理せよ！志望動機を作るための業界研究のすすめ

また、積極的にOBOG訪問を行い、そこで聞いた話をもとに志望動機を話すとよいでしょう。
OBOG訪問のつてが少ない！という海外大生は、以下の記事からぜひ海外大生がOBOG訪問する方法をご確認ください。

OBOG訪問のメリット　海外大生がOBOG訪問をするには？

5．海外大生が活躍できる？デベロッパー業界のおすすめポイント

冒頭でも述べた通り、デベロッパー業界は海外進出を盛んに行っており、海外大生が活躍できる場面が多くあります。

実際、いくつかのデベロッパーは海外で現地の大手デベロッパーと共同再開発を行っており、そこでは異なる価値観を理解し、議論を行う必要があります。語学力に加えて、異なる価値観の理解に長ける海外大生の活躍に期待が高まります。

一部の企業では海外大学に正規留学している学生のみを対象とした採用フローを用意しており、海外大生の需要は高いと言えます。

6．まとめ

デベロッパー業界の仕事のイメージは掴めましたか？
仕事内容からも分かるように、リーダーシップやコミュニケーション力が必要となるフィールドです。
専攻が近しい場合はもちろん、都市開発・街づくりに興味がある方はぜひチェックしておきましょう！

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